女性ライダーは本当に少ない?

最近本格的にTwitterをはじめた。やってみると楽しいもので、いろんなツーリングスポットの情報も知れるし、バイク乗りの方々と交流させてもらうこともできるようになった。
いろいろなツイートをみている中で、「#バイク乗りとして自己紹介」というテンプレツイートがあることを知った。

名前、性別、年齢、車種…など、なかなか細かく書くようになっている。

そしてこのツイートを見かければ見かけるほど、女性ライダーがとても多いことに驚かされる。

私が日常の中で出会ったバイク乗りさんはほとんど男性だった。教習所でも女性の方と教習を受けたことはなかったし、ツーリング先でも女性ライダーさんには滅多にお目にかかれない。そのくらい女性ライダーというのはレアな存在だと思っていた。

そんなレアな存在である女性ライダーがTwitterにはあんなにも溢れている。最近はYouTubeでも女性モトブロガーが人気だったりするし、ネット上では不思議となんだか多く見かける。

女性ライダーが体感として少ないのはみなさん感じていると思うが、実際はどうなのだろう。警察庁のサイトに運転免許統計という資料が公開されていたので、こちらから令和2年の運転免許保有数を参照させてもらった。




大型二輪・普通二輪免許の保有者数

令和2年運転免許保有者数

大型二輪普通二輪合計
男性16,61696,319112,935
女性3,87136,93340,804
合計20,487133,252153,739

年齢別では、10代の大型二輪保有数が380、普通二輪が29,590。20代の大型二輪保有数が2,172、普通二輪が29,234となっている。

このように数字でみると、女性の割合は全体のおよそ4割弱を占めていることがわかる。正直、意外に多いなぁという印象を受けた。もちろんあくまでも免許の保有数なので、現役ライダーの数がこの数字というわけではないと思うが、潜在的にはこんなにも多くの女性ライダーが眠っているということに驚いた。

しかしせっかく苦労して免許を取得したにも関わらず、バイクに乗っている女性は少ないように感じる。その理由は免許取得の次にも超えねばならないハードルがあるからではないかと思う。

それはバイク友達ができるかどうかだ。

バイクに興味を持つきっかけは家族から

女性ライダーにバイクに乗り始めたきっかけを聞くと、父親や家族の誰かがバイクに乗っていたから、と答える方が多い。小さい頃からバイクに慣れ親しんでいるし、親がバイクに乗っていたら自分も乗りたいと思うようになるのだろう。両親もバイクという乗り物に抵抗がないため、娘がバイクに乗ることに反対しないことが多い。

私がバイクに興味を持ったきっかけは中学生の頃、当時高校生の兄が原付バイクに乗り出したことだった。

兄は「バイク通学をするんだ」と言って原付の免許を取った。しかし実際には原付で通えるような距離の学校ではなかったため、歩いて15分ほどの最寄り駅まで原付で通うようになった。なんとも微妙な使い道である。

毎日1kmの往復のみ、というかわいそうな原付ライフを送っていたかというと、そんなこともなく。休日になれば原付でフラフラ何処かへ出かけ、何かしらお菓子なんかを買ってきてくれたりした。私が知らない場所に行き、何かを得て帰ってくる。たった2歳しか変わらないはずの兄が、すごく大人になったように見えた出来事でもあった。

そして私も16歳になり、バイクの免許を取ってみようかな、と両親にお伺いを立ててみた。が、もちろん却下。

私の両親はバイクに乗らない人だったので、そんな人からしてみれば、バイクはとても危険な乗り物で、女の子が乗るもんじゃないという考えだったのだろう。それに、バイクに乗ったとして、どこに行くんだ?と…。私のインドアなところもしっかりと分析してくれていた。(当時兄はすでに実家を出ていた)

そのまま私のバイクへの情熱は鎮火してしまった。




女性はバイク友達が作りにくい

この時はバイクに乗りたいという情熱を後押ししてくれる人がいなかったことが、一歩を踏み出す勇気をが持てなかった理由だと思う。

男性の場合は後押ししてくれたり、一緒に楽しんでくれる友人や先輩が1人や2人はいるだろう。ところが、女性の場合は女性ライダー自体が少ないので、後押ししてくれたり、共有できるような友人をみつけることが難しい。必然的に家族などの身近な存在がバイク友達ということになる。すると、免許を取得した後も一緒にツーリングをするのは家族、ということになるだろう。

私個人の考えにになってしまうのだが、ツーリングは、私にとってはバイクに乗ることが目的なのではなく、バイクでどこかに行き・何かをする。ということが楽しいなぁと感じている。

バイクに乗ろうよ〜!というより、ツーリング(お出かけ)に行こうよ〜!という気分なのだ。そしてそれを誰かと一緒に共有したいと思っている。なので、免許を取ってから今までソロツーリングはしたことがない…。

1人で運転するのが怖いというのもある…。

女性でもバイクで走ることが好きで、それだけができれば満足だ、という人ももちろんいると思う。しかし、私と同じように誰かと一緒に走ることが楽しいと思っている人も多いと思う。

家族が主なツーリング仲間だとすると、親元を離れるタイミングや、親が高齢になりバイクから降りるようになると、バイクからも自然と離れてしまうのかもしれない。そして、女性ライダーがレアキャラになってしまうのだ…。

私のような考えの人にとっては、一緒にバイクに乗る人がいることが必要なのだ。

SNSで新しい繋がり方ができる

女性の二輪免許保有数が約4万人という数字をみて、意外に多いと感じたが、やはり日常生活で知り合うには少ない人数なのだろう。学校や職場にも実はいるのかもしれないが、趣味などのパーソナルな話をする仲の人となると、また見つけるハードルが上がってしまう。

そんな時、お手軽に「バイク」という共通項で集まれるのが、SNSだ。

SNS上ではバイクという共通項目があることによって、全く知らない人にも気軽に話しかけることができる。日本全国老若男女、同じバイクに乗っている人、同世代の人、いろんな人がバイク友達になってくれる。

日常生活では特に発表するタイミングのなかった女性ライダーが、気軽にバイクに乗っていることを発言できるようになったことが、Twitterに女性ライダーが溢れていると感じた原因なのかもしれない。

さらに「すごいなぁ」と思うことは、SNS上でのやり取りにとどまらず、SNSで知り合った人と実際にツーリングに行くこともあるのだそうだ。こうした繋がりが女性ライダーがバイクに乗り続けられる要因になっているのかな、と感じた。




バイクは人と人をつなぐ乗りもの

Twitterを見ていると女性ライダーが増えたように感じたが、実際には増えたというより、発言できる場ができた、という方がしっくりくる。顔の見えない人同士が、バイクという共通の趣味で友達になれる。もしかしたら一生のバイク友達になる人に出会うかもしれない。すごい時代になったもんだ。

このような輪が広がることで、さらに女性ライダーが増え、女性の体格にあったバイクが発売されたり、おしゃれなレディースウェアが充実していく。おしゃれなウェアに身を包んだかっこいい女性ライダーに憧れて、さらに女性ライダーが増える…。そんな日がくる日も遠くないかもしれないですね。笑

私ももう少し運転技術が向上して、自信がついたら女性ライダーオフ会なるものに参加してみたいと夢見ている今日この頃であった…。

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