直列4気筒のバイクは面白くない?

今回はタイトルの通り、直列4気筒のバイクはつまらないという話です。タイトルは故意に過激にしましたが実際私は直4のバイクは好きですし、これからも絶対持っていたいバイクであるわけなので、つまらないというのは言い過ぎですが、先日改めて思った直4の印象の話をしていきたいと思います。




直4のメリット

直4のメリットといえば皆さんはどんなことを思い浮かべるでしょうか。振動が少ないであったり、吹け上がりが気持ちいなどさまざまあると思いますが、私がここ最近感じているメリットは一言で言うと、

加速が楽しい

ということです。加速が楽しいのは単気筒でも水平対向エンジンでも変わらないとは思いますが、直4の加速は特に気持ちいいと感じています。振動が少なく綺麗に高回転まで回るエンジンは非常に魅力的です。我が家にはM1000RRとCB400SBがあり、どちらも直4エンジンを搭載していますが、どちらも直4らしい気持ちよさがあります。

M1000RRはフルスロットルでとんでもない速度まで加速していきますし、CB400SBはVTECが最高に気持ちの良いバイクです。(ちなみにM1000RRは近々売却のため我が家からはなくなります)こんなに気持ちいバイクなわけですが、つまらない部分もあります。

直4がつまらない部分

私がメインで乗っているバイクはRnineTであり、M1000RRはほとんどサーキットでしか乗って来ませんでしたし、CB400SBはマルイチが使用するため、直4を公道で走らせることはあまりありません。先日小一時間ほどバイクに乗るタイミングがあり、1人での走行でしたので久々にCB400SBを一般公道で乗って見ることにしました。

空いている道を抜け走り続けると次第に都市部に差し掛かります。渋滞とまでは言いませんが、そこそこ交通量があり、思いっきり走るというよりは交通の流れに乗るといった感じ。その後信号が少ない郊外に差し掛かります。

ここで感じたのは

加速シーンがほとんどない

ということ。直4のメリットは上記書いた通り、「加速すること」なわけですが、その加速できるシーンが少なく、どちらかというと巡航するという感じ。市街地では信号も多く、加速と減速の回数は多いですがエンジンの回転数を上げるという部分までは加速できませんし、郊外では信号がなく60km/hで巡航します。「加速」という翼をもぎ取られた直4エンジンは非常に退屈で、これをデメリットとして一言で表すなら、

一定速走行がつまらない

ということになります。いつも乗っているRnineTは水平対向2気筒エンジンであり、パルス感がめちゃくちゃ強いわけではありませんが、程よく振動し、一定速走行をしていても非常に気持ち良いです。よく言う「バイクに乗ってる」といった感覚ですね。

それに対して直4エンジンで一定速走行を行うと、振動は少なく音も迫力なく、かなり退屈です。眠くなります。そして加速したいという欲求が生まれ、「前の車いなくならないかな」なんて考えてしまい運転事態に悪影響を与えているような気さえしました。




私は直4信者でもある

とはいえ、私はそこそこの直4信者でもあり、「直4こそ最強」という意識が強くありました。自分の所有するバイクには必ず直4はラインナップに入れて置きたいと思っていましたし、大型のスーパースポーツの多くが直4ということもあって大好きなエンジンです。

過去のバイク業界では250ccクラスに直4エンジンが搭載されており、ホーネットやCBR、FZRなどを運転し、その素晴らしさを覚えています。しかし排ガス規制や価格など、さまざまな観点からメーカーは直4搭載の250ccクラスというものを製造しなくなり、姿を消しました。買う買わないは置いておいて、小型で高回転まで回せるエンジンをもっと世に産んでほしいさえ思っていました。

そんな中KawasakiがZX-25Rを発売し話題となりました。私としては非常に嬉しい発表だったわけですが現在のところ、他メーカーが追従する様子はありません。実際にKawasakiに詳しい方に話を聞くと「実は売れたのは初動だけで、あまり売り上げはよくない」と言う話を聞きました。

もちろん値段が高いと言うのもありますが、もしかしたら値段に意外にも理由があるのかもしれません。

「直4エンジンを十分に楽しめる環境は意外と少ない」

といったことに気がついた人はあえて直4エンジンを選ばないのかもしれませんね。




直4エンジンが輝く場所

どんなバイクでもそのバイクを楽しむには、そのバイクに適した環境を用意する必要があります。私が思うに直4を楽しめるのは一般公道であればワインディングしかないと思います。それ以上を求めるならサーキットです。ワインディングは一般公道であるため、制限速度はもちろんありますが、常に「減速」と言う操作が必要になります。減速の次は必ず「加速」が必要になりますので、直4エンジンの滑らかな加速を十分に味わうことができます。もちろん市街地のストップアンドゴーとは別物です。

そしてもしレッドゾーンまでしっかりと回したい場合はサーキットに行くしかありません。私はM1000RRでもCB400SBでもサーキットを走ってきましたが、間違いなく楽しいといえます。私の場合サーキットでは基本的に単気筒であるG310Rで走ることが多いのですが、単気筒と比べて直4は格別です。これを味わえるなら直4エンジン搭載のバイクを所持する価値があると思います。

サーキットの話を続けますが、問題は250ccクラス最速が直2のCBRやYZFが速いと言うことです。4気筒であるZX-25Rは遅くはないですがCBRなどには及ばないと言う感じですね。そうなると、レースで上位を狙っていたり、ラップタイムを追い求めている人にとって、直4エンジン搭載車を選択するメリットがあまりないと言うことになります。

600cc以上からはほとんどが直4になるので、このクラスで走る人たちは直4の良さを存分に感じることができると思いますが、600cc以上のバイクでサーキットを走る人はそれほど多くないでしょう。

ではどんな人が直4エンジンのバイクを買えばいいのかと言う話になりますが、私の個人的な意見としては、

  • よくワインディングを走りに行く人
  • サーキットを走る人
  • 250ccクラスなら速さよりも音を重視する人
  • そもそも見た目が好きな人

といった感じでしょうか。直4は音が良いから欲しいと言う人もいると思いますが、快音を鳴らせるシーンは本当に少ないと思います。特に一般道メインで走るつもりの人は、数少ない一瞬の音を求めるよりも安定した楽しさを得られる方がバイクをより好きになれるような気もします。

もちろんこれは私の意見なので、一定速でも十分に楽しいと思う人はいると思いますし、一瞬の音のために乗ると言う人もいるでしょう。エンジンから4本のエキマニが生えているフォルムが好きと言う人もいると思います。好みはもちろん人それぞれなわけですが、もし直4エンジンのバイクを狙っている人はどんなシーンで乗ることが多くて、メリットを最低限活かせるかなどを考慮し、試乗をした上で購入した方が良いかもしれませんね。




最後に

と言うことで久しぶりに直4エンジンを公道で走らせたら退屈だったと言う話でした。これまでずっと直4は素晴らしいと思っていただけに、退屈さを感じてしまったのは非常に驚きでした。とはいえ、幸いにも私はサーキット走行をするタイプのライダーですので、直4はサーキットで楽しみ、一般公道は2気筒エンジンや単気筒エンジンでトコトコ感を楽しむと言うことができそうです。

一般道ではネガティブな意識を持つようになってしまいましたが、私の直4信仰は今でも変わりません。やはり最高に気持ちいバイクです。強いていえば直4には直4に適した場所で走らせようと思っています。CB400SBも現在のところ長く所持していこうと思っています。

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