前回F850GSを納車したわけですが今回はツーリング後のインプレになります。ファーストインプレッションの部分と被るところはありますが、ある程度まとまった時間F850GSに乗り、もう少し深く知ることができました。
F850GS納車 ファーストインプレッション
エンジンは270°クランク
まずエンジンですが、ファーストインプレッションの時に書いた通りで、速くはないけど一般公道においては必要十分といった感じです。高い速度からの加速力も十分あります。そしてこのエンジン、270°クランクとなっており、これは私にとって初めてのエンジン形式です。
ファーストインプレッションでは低速を高いギアで走行するとノッキングぽくなってしまい、エンジンが粘らないと書きました。これは270°クランクによる不等間隔爆発であるためかなと思っています。R nine Tは180°クランクなので、爆発に安定感があります。F850GSの場合はある程度速度に合ったギアの選択が必要なんだなと思います。
それからエンジンレスポンスのこともここで書いておきましょう。エンジンレスポンスはオフロードバイクのためかアクセルを大きく捻っても一呼吸あけてから加速が始まります。これはグリップ力の低い悪路において、スリップしにくくするためかと思います。
今まで私が経験したことないエンジンではあるため、もう少し乗り込んでメリット的な部分も沢山見つけてみたいと思います。
エンジン音に関して
次はエンジン音の話をしましょう。パラツインの音といえば、ドドドドと小気味良い音を奏でます。F850GSもパラツインなわけですが、ライダーはあまりパルス感のある音を聞けませんでした。というのもエンジンのメカニカルノイズ音が大きく、メカニカルノイズ音の発生源も近いため、排気音よりもメカ音の方がよく聞こえてしまいます。
私としてはパルス感のある音を聞きたいのですがそれが邪魔されてしまうわけですね。離れて聞くとどんな音がするのかと確認してみると、後方ではパルス感のあるドドドドという音が、前方からはガシャガシャというメカノイズが聞こえます。
メカノイズに関してはその音自身がかっこいいと言われることもあります。私が一応まだ所有しているDUCATI 900SSも乾式クラッチであるためなかなか賑やかなメカニカルノイズがします。正直DUCATIのメカニカルノイズはカッコいいと思っていますし、排気音とのハーモニーは最高です。
一方F850GSですが、私の感覚ではあまりかっこいいという感じのメカニカルノイズには聞こえません。そのため、排気音の方の音量をもう少し増やして、メカニカルノイズを少しかき消すような形になればいいなとは思うのですが、今のところマフラーを交換する気はないので現在の形のまま乗り続けようと思っています。音のイメージは変わるかもしれないですからね。
サスが柔らかくて怖いと思うシーンも
次はサスです。サスは当然ストローク量があり、柔らかいため一般道の凹凸など簡単にいなしてくれます。ツーリング時にこの動きは非常に楽ちんでどこまでも走れそうと感じるのはいうまでもありません。しかしワインディングの場合は必ずしも良いとは言えません。
高速コーナーやヘアピンなど、ある程度しっかりとバイクを倒していくシーンではこのサスの柔らかさのおかげで少し怖いと感じます。元々、乗車位置が高いため、腰高感からコーナーは怖いと感じるかもしれませんが、それ以上にサスの柔らかさが怖いのです。
勿論怖いからといって簡単にブレイクすることは無いと思います。ただライダーにとっては、「大丈夫だよね?」と少し不安になりながらコーナーを抜けていくという感じでしょうか。しかしこれは解消方法があります。プレミアムライン限定ではありますが、リアの電子制御サスをロードからダイナミックに変更することです。
ダイナミックモードはサスがそれなりに硬くなり、普通のロードバイク並みのセッティングなります。この状態でコーナーに進入すると、当然腰高感は無くなりませんが、サスのフワフワ感は消え、安定して走ることが可能だと思います。
ちなみにスタンダードラインでも手動でサスの硬さを変更することが可能ですが、道のシチュエーションに対していちいち降車し、セッティングするのは面倒です。プレミアムラインの場合は手元のスイッチで簡単に変更が可能なので、F850GSにおいてはプレミアムラインがおすすめです。(足つきの問題を解消できてる場合です)
このセッティングの変更によって、様々なシチュエーションで不満が減るので本当に走る場所を選ばないと言った感じです。GS全般に言えることだとは思いますが、このどんな道でもどんとこいという雰囲気はかなりお気に入りですね。
コーナリングに関して
上記ではサスを固くすることで安定感が増し、走りやすくなると言ったことを書きましたがコーナリングのフィーリングは普通のバイクといってなんら問題無さそうです。R1250GSはテレレバーとシャフトドライブということもあり、自分の知ってるバイクと違う動きをするように感じていましたが、F850GSは通常のテレスコピックとなっており、チェーンドライブということもあっていたって素直です。
F850GSの特徴でもある21インチホイールに関しては特別大きな違和感は感じませんでした。F750GSと乗り比べれば違いを感じられると思いますが、私の場合比較していないのでわかりません。とはいえもともと速くコーナー走るバイクではないので必要十分に走ってくれるなという印象です。
積載に関して
積載に関してはGSですのでかなりのポテンシャルがあります。私はまだパニアケースを手に入れていないので、どれくらいの荷物が積めるか具体的に説明はできませんがフル積載状態でも2人乗りは可能ですし、後部座席にさらに荷物を積み込むことも可能でしょう。超ロングツーリングにも沢山の荷物を持って行けそうです。
ただ、当たり前ですがパニアケース無しの場合シート下に荷物を積めると言ったことは不可能で、シート下のスペースはETCと小さな小物が入るかどうかという感じです。なのでプチツーリングなどで重宝しそうなトップケースくらいはゲットしたいなと思っています。
ちなみにプレミアムラインの電子制御サスの場合、二人乗りなのか、荷物があるのかなどを選択して最適なサスセッティングに自動で設定されます。こう言った部分でもプレミアムラインはおすすめですね。
スタンドは直立で少し不安
オフロードやアドベンチャーに慣れていないとスタンドの直立具合にはびっくりするかもしれません。私の場合サイドスタンドを出す際は乗車したまま出します。シートに体重をかけた状態でサイドスタンドを出すと、サスが沈み込んだ状態になりますので、スタンド自体が長く感じ、スタンドを完全に出し切った状態ではバイク本体が直立したような形となります。
この状態はなかなか不安なのですがバイクから降りるとサスが伸び、ごくごく普通の角度となります。なので基本的には問題ないはずなのですがどうも不安定な気がしてしまい、駐車時に逆勾配になっていないかなど、意識する必要があるかなと思っています。
ウィンドスクリーンはもう少し大きくてもいい
R1250GSに試乗した際、大型のウィンドスクリーンが装着されており非常に快適に運転することができました。F850GSにもウィンドスクリーンは装着されていますがサイズが少し小さく、肩から上あたりから走行風を受けると言った感じです。
オフロードを走る場合、大型のスクリーンは邪魔だという話を聞いたことがあるので、とりあえずは大型なものに変えるつもりはないのですが、オンロードによるロングツーリングで使用するのがほとんどであるなら大型スクリーンに交換してしまってもいいかもしれませんね。わたしはもう少し様子を見てから交換するか検討しようかと思います。
燃費は良い
前情報として知識はありましたが、燃費はかなり良さそうです。公式サイトに掲載されているカタログ燃費は23.8km/lとなっており、この数字だけでも悪くありませんが実走行では軽く25km/lは超えそうで、一般道で長い距離を一定速で走れた場合は30km/lすらも達成できるでしょう。
タンク容量は15Lなので、25km/lなら375km、30km/lなら450kmもの距離を一回の給油で走れそうです。GSアドベンチャーには流石に敵いませんが、十分な航続距離であるため給油回数もすくなりそうです。この燃費はおそらく400ccである、CB400SBより良い数字かと思います。CB400SBの燃費が良くないとも言えますが、F850GSは大型バイクということを考えるととても燃費は良いといえそうです。燃費に関しては実燃費として調査をしてみようと思います。
最後にデザイン
デザインは好き嫌いが分かれると思いますが、私としてはR1250GSのデザインの方が好きです。R1250GSはタンク周りとエンジン周りのバランスが良く、詰まっている感じで塊感を感じます。
一方、F850GSはタンク周りのボリュームはなかなかのものですがエンジン周りのボリュームが少なくアンバランスな印象を受けます。私の車両にはエンジンガードやタンクガードが取り付けられておりますが、これを取り付けてもこのバランスは解消されないのは少し残念なところです。
タイヤに関しては21インチとなるので明らかに大きいと感じ、私の車両ではまだ装着しておりませんが、ブロックタイヤを履かせればなかなかハードなオフロードバイクに見えるのではないでしょうか。
カタログなどでR1250GSとF850GSを見比べているとR1250GSの方がかっこいいなと思っていたわけですが実際に納車し、単体でF850GSを眺めているとだんだんとカッコよく見えてきたような気がします。この辺のイメージは見慣れてきたりすると変わることがあるので今後どう感じていくかは少しずつ楽しみです。