今回はAELLAさんから発売されているオーバーサスペンションに関しての記事になります。この製品は私もここ数年で知った製品で、なんでも取り付けるだけで車体の動きがマイルドになるとのこと。サス本体を交換すると非常に高価になってしまいますが、こちらの場合そこそこ安価で取り付けることが可能です。今回はRnineTに取り付けられたオーバーサスペンションを体験。果たしてその効果はいかに。
オーバーサスペンション
AELLAさんから発売されているオーバーサスペンションは、自社製ではなく、「イタリア SUPREME TECHNOLOGY」という会社(?)が開発したものを売っているようです。歴史は10年以上あるようですね。
メカニズムは簡単で、シリンダーに重りのようなものが入っていて、段差を超えるたびにその重りが反作用の働きをし、ショックを打ち消すというもの。ホームページでは
- F1では禁止パーツになった
- ギャップに対する追従性の向上
- コントロール性の向上
などなど書かれており、F1ではその性能のためか、禁止パーツになっているということを聞くとこのパーツが凄そうであるということが伝わってきます。
しかしここは一般道で市街地。果たして効果はわかるのでしょうか。
半信半疑の1本目
今回の試乗は
- 重りの振り幅が一番大きい状態で試乗
- 重りの振り幅が一番小さい状態で試乗
- オーバーサスペンション無し
の順番で試乗させてもらいました。まずは半信半疑の1本目。オーバーサスペンションは重りが一番動く状態。この状態が一番わかりやすい状態とのこと。
そしてこの時の感想は
「良くわからん」
という感じ笑(感度が低くて申し訳ない) しかし、ショックを軽減するという観点で注意して走行していると確かにショックは軽減しているかも、という感覚。というのも小さな段差を超える際にまずはフロントタイヤで乗り越えます。この時のショックを100とした場合、リアで越える時のショックは80程度に感じました。
しかしこの感覚、これまであまり考えてきたことがなく、フロントタイヤで100のショックを受けたら、リアも100で受けるものだっただろうか?などと、自分自身の感覚がどうだったか模索しながら試乗していきます。
とりあえず1本目は
「取り付けていない状態がどうであったかわからないが、とりあえず私の感覚として、フロントタイヤで100のショックを受けたら、リアタイヤのショックは80くらいになっている」
という感覚を得てフィニッシュ。
かすかに感じる2本目
次は重りの振り幅を最小にした状態。先ほどの振り幅が大きい状態からすぐに発進しているのでフィーリングが変わったことに気がつけます。今回は大きい段差もある程度ショックを軽減していると思いますが、特に路面のヒビなど小さな段差をいなしているような感覚。重りの振り幅が小さくなるので小さい振動をキャッチできるということなのでしょう。
確かに1本目と比較して違いは感じたが、そもそも純正状態と比べてどうなのかというのは分からず感じることはできたけどというところで2本目をフィニッシュ。
確信の3本目
そして最後はオーバーサスペンションは外して走行になります。1本目から3本目まで同じコースを走りましたが、最初の段差を超えた瞬間わかりました。
「1本目、2本目は間違いなくショックを軽減していた」
1本目の時に、フロントに100のショックを受けたらリアがどれくらいのショックを受けるものかという話をしました。オーバーサスペンションをつけた時は、フロント100、リア80と書きましたが、純正状態ではフロントに100ならリアも100ということがよくわかります。
これはマジで効果があったと、目から鱗。そうなってくると結構リアがバタバタ動くものだなという感覚も生まれてきます。しかし、ある程度走れば気にならなくなるような気もしそう。この辺がこの製品の論点になりそうです。
必要かどうか
さて、効果が間違いなくあり、それを素人でも体験することが可能ということがわかりましたが、問題はこれが本当に必要かどうかという話。価格は税込で51,150円。
私はRnineTに関して、サスペンションは硬いとは思っていますが耐えられないほど硬いとは思っていません。フロントに100のショックが入ってきたならリアにも100のショックを与えるということを考えると、逆に言えば正しくフィードバックができているとも言えます。そのためこれを軽減する必要はあるのかと考えました。
例えばサーキット走行をする際、縁石に乗り上げたり、限界までバイクを寝かせている際に小さな段差を拾うなど危険なシーンが存在すると思います。こういったシーンでは転倒を避けることができる可能性があり、効果は大きいと思いますが、私が乗るのは公道です。それほど不快と感じることのないRnineTのサスペンションの動きを軽減する必要はない、と答えを出しました。
というよりもこのオーバーサスペンションはM1000RRに付けるべきなのではと考えます。
M1000RRにピッタリか?
M1000RRはS1000RRと違い電子サスペンションが搭載されておりません。減衰力は手動調整することが可能ですが、とにかく硬くて公道では乗りにくいのが問題点。小さな段差でもとにかく全てを拾います。サーキットではそれほど気にはなりませんでしたが、街乗りではちょっと走るだけでバイクを降りたくなるレベル。
もし小さな段差を少しでも軽減することが可能ならM1000RRにこそめちゃくちゃ効果があるのではないかと考えたわけです。さらには、これから始めようと思っているサーキット活動。これに関しても転倒のリスクを下げられると考えるとますますピッタリな予感。
問題があるとすると、このオーバーサスペンション、S1000RRのもをM1000RRに付けられるかわからないということ。AELLAさんでもまだ1例もないそうです。私もあまり意識していなかったのですが、S1000RRとM1000RRはスイングアームの形状が大きく違います。私はアルマイト加工されているだけかと思ったのですが、M1000RRはどうやらアルミ削り出しで作られているようです。ですので取り付ける金具が合わないかも知れないと言われました。
「もしつけるなら、一度検証して、つかないようであれば返金するけどどうしますか?」
といっていただきましたが、今回は見送ることに。
というのも私がまだサーキット走行するための準備が整い切っていないということと、今後M1000RRを公道で使用するケースが少ないだろうということ。(実はこの日すでに15万円分のカスタムパーツを購入したことも原因)ということで、今は見送り、時が来たら取り付けてもらおうと思いました。
それくらい効果を感じることができましたし、この商品に関してはM1000RRにこそ期待できると感じました。
注意点
つけてデメリットはあまりないような気がしますが、強いて言えばレースで使えるのかどうか。私はサーキットを走るといってもレースをするわけではないので特に問題ないですが、F1で禁止されているとあり、バイクのレースでも使えないということがあった場合、このオーバーサスペンションが装着されている車体のフィーリングに慣れてしまうと、ついていない車体を運転したときに悪い影響を与えるかもしれないですね。
その辺まで感じ取れる人は限られて来ると思いますが、もしそういったシチュエーションの中にいる人は注意が必要かもしれません。私はには全く関係のない話です。
最後に
半信半疑のオーバーサスペンションでしたが、確かに効果を感じられる製品でした。その日のAELLAの営業マン曰く、「本日試乗された方にバンバン売れています」とのことでしたので、多くの方が効果を感じてる商品だと思います。私の場合はRnineTよりもM1000RRにつけたいと思っていますし、少し考え方が変わればRnineTにもつけたいと思うかもしれません。M1000RRはサーキット走行前に、RnineTはM1000RRの反応を見てから、といった感じでしょうか。
もしお近くで試乗することができるようであれば是非試してみてください。
また上記に書いてきた感覚は、私の拙い感覚です。感度が高い方はもっと違う感想を表現できるかもしれませんが、参考になる部分は参考にしていただき、検証が必要な部分はご自身で検証、もしくは様々な情報を調べてみてください。