何かと話題の2輪ETC割引。今回初めて利用してみましたのでその感想記事となります。皆さんもご存知の通り、非常に使い勝手が悪く、わざとこういった仕様にしているといのは間違いないと思うのですが、様々な機関の様々な思いの結果こういった形になったのかと思います。とにかく現状、仕様が決まっており、それに従うしかありません。
まずは登録
私が使用した割引プログラムは2輪車定率割引というものです。ツーリングプランというプログラムもあるのですがこちらについてはまだ使用したことがありません。
まずはNEXCOのホームページから個人情報の登録が必要になります。
登録項目は名前や住所はもちろん、
- 車載器番号(複数可)
- ETCカード番号(複数可)
が必要になります。利用するのにここまでの手間は良いのですが、サイトも分かりづらく、どこからアクセスしたらいいのかよくわかりません。登録が完了すればいよいよ申し込みです。
都度申し込みが必要
普通の感覚で行けば、上記の登録さえ行えば後は普通に使えると思いますが、1回1回登録が必要になります。例えば5月7日にツーリングするようであれば、事前に5月7日にツーリングすることを申請しなければいけないのです。一応直前でもOKということなのですが、例えば旅先で急に下道をやめ、高速道路を使用すると判断した際はその場でスマホなどを使って申請が必要になります。めちゃくちゃ面倒ですよね。
さらに、1週間の長期間ツーリングをしたとします。5月7日〜5月13日の7日間になるわけですが、それぞれ申請が必要になります。この後詳細を書きますが、このプログラムは土日祝日しか使えませんので、全て適用することはできません。1週間のツーリングの場合、2回ページを開いてそれぞれ申請するということです。「ここの土日」という申請ができないようなのでこういった手間が生まれてしまいます。これまた面倒な話です。
条件が少し厳しい
そしてこのプログラムがいまいちと思えるのが発動条件が地味に厳しいこと。
- 毎度申請が必要
- 土・日・祝日のみ使用可
- 100km以上の距離でなければ使用不可
- 期間は2022年4月2日〜2022年11月27日まで
- 2ヶ月以上先の予定は申請できない
といった条件があります。多くの方の感覚では、2輪は軽自動車に比べても乗車人数が低いことや、重量が軽いため道路にかける負担が少ないことから安くしようといったものと考えている人が多いと思いますが、どうやらそうではない様子。通勤やちょっとしたツーリングでは使用できないのは非常に使い勝手が悪いです。
正直意図がいまいちわからないプログラムです。基本的に行楽で賑わう土日祝日に限定し交通量が増えます。さらにバイクはどちらかというと高速道路よりも下道を好む傾向もあり、100km以上というハードルも謎。おまけに約半年の期間。このままプログラム終了すると
「いまいち利用者がいなかったので必要ないと判断します」
と言われそうな雰囲気です。通行料金自体が増えてくれれば継続するのでしょうが、大きく減ったという事実が残ればすぐにでも終了してしまいそうです。続けることも終了することもどちらにもしっかりと動けるようにするためにここまで面倒な条件をつけているように感じます。
2輪の割引に関しては昔から議論があったので割引というプログラムは実施したという事実だけを残して消えてしまうことがないことを祈るばかりです。
地味に不快な部分
地味に不快に感じるのはやたら「キャンセル」という言葉を使ってキャンセルを意識させようとすることです。
申請していきなりキャンセルを考える人もそうそういないでしょうし、そもそも申請事態が有料といったことはないのですからキャンセルなどしなくても良いかと思います。ですが、所々でキャンセルキャンセルと言われるとどうしたいのと聞きたくなるレベル。もう少し気持ち良く使わせて欲しいものです。
ライダーはどうするべきか
このプログラムが今後も永久に採用されるために、ライダーはどうしたら良いのでしょうか。政治的な部分を考えず、素人なりに考察すると、
- バイクが原因で交通渋滞が起きない
- バイクが原因でトラブルや、交通事故が起きない
- 通行料金が増える
これらが達成できれば道は開そうな気がします。しかし、バイク乗りのマナーが必ずしもよいというものでもありません。車の場合ドライバーのモラルが多少欠けていても、道を塞ぐ前方の車が存在することにより無条件に押さえつけられることになりますが、バイクはその身軽さからすり抜けたり割り込んだりと簡単にできてしまいます。こういったことからトラブルの原因になったり、すり抜けによる事故などが増えればマイナス方向に進むことも考えられます。
しかし、このあたりは一人一人が節度を持ってバイクを運転するしかなく、まずは申請し、利用し、お金をたくさん落とすしかないのかもしれません。乗車人数や重量という観点から料金を見直そうという話ならともかくその辺は全く考慮されていないようなので、
安くなった → 多くの方が利用した → 割引価格でも収益が増えた
という状況を作らないことには先に進めないような気がします。その上で、トラブルや渋滞などそういった部分を考慮し始めるのかなと。ですので無理に機会を作ろうということではありませんが、土日祝日で100km以上高速道路をに乗る方はどんどん使っていくのが良いかと思います。
最後に
なんとか2輪のETC割引は実現しましたがどうにも引き腰に感じるプログラム。これまで多くの方が、乗車人数や重量などという部分の違いから料金は別にしてもいいのではといわれてきましたが、使用の条件を見る限りそういった背景は基本的に無視していることが伺えそうです。2022年11月27日が過ぎ、今度は24時間365日割引状態ですよ(それだと割引とは言わないが)という状況ができることを願っています。