初めてのサーキットをM1000RRで走ってみた

私はこれまで、スポーツタイプのバイクに長い間乗っていたのにも関わらず、一度もサーキットを走ったことが有りませんでした。私が育った街の近くにサーキットがなかったということも有りましたが走りたいと強く思わなかったことも理由です。

今回は人生初のサーキットをM1000RRで走行しましたのでその感想を話していきたいと思います。
ちなみに私が走ったのは先導がいる追い越し禁止の走行です。ツナギも必要ないといったものになります。




走ったサーキット

今回走行したサーキットは袖ヶ浦フォレストレースウェイ。

筑波サーキット2000と似たような規模感となるようです。私が通っているディーラーで走行会を開くということでしたのでドキドキしながらも参加させてもらいました。

どれくらいの人がいるんだろう?意外と質素にやっているのかなと思いきや何と100台以上のバイクが集合。こんなにもサーキットを走ろうとしている人たちがあふれていることに驚きました。私と同じように始めてのサーキット走行という人もたくさんいるようで大いに賑わっていました。

自走するのか積み込むのか

バイクをサーキットで走らせるためには当然バイクをサーキットまで運ばなければいけないわけですが、運ぶ方法は2通り。自走するか、トランポに積み込むかのどちらかになります。(バイク自体をレンタルという方法もあるかも)

今回私が走らせるバイクはM1000RRにするということもあり、自走するだけでも多くの体力を消費してしまいそう。ということで積み込みで持っていくことにしました。

もちろん私はトランポなんて持っていませんので、1tトラックのバネットをレンタルし積み込むことに。

しかしこの積み込みが意外と難しい。
積み込むのには少しコツが必要で、万が一積み込み途中に転倒させようものなら、バイクが受けるダメージはとんでもないことになります。

youtubeで様々な方々の乗せ方、結び方、失敗シーンなどを勉強し、自分で実践しましたが、1日を通して走ることよりもこの積み下ろしの方が緊張しました。
とりあえず問題なく運搬することができたことは本当にほっとしています。

サーキットの勝手

サーキット初心者の一番の難しい部分は勝手がわからないということ。

そして単身で乗り込む私は友達など当然いるわけもなく、ディーラーの営業マンくらいしか知った顔が居ません。周りを見渡せば、「久しぶり~」なんて声が聞こえてきたりして、完全アウェー状態。

しかし今思えば、案外みんな孤高にバイクを走らせていたような気もします。私のように友達なんかおらず、もくもくと1日のスケジュールをこなしているような人もたくさん。友達が居ないのは私だけではないということだけでも安心感が生まれました。

1日のスケジュール

私の参加した走行会は、

  • ブリーフィング
  • 座学
  • 走行
  • 座学
  • 走行
  • 座学
  • 走行
  • 座学
  • 走行
  • 閉会式

というものでした。

15分間の走行が4回あり、その前にプロライダーによる座学を受けられるものです。

座学は人気がなく、さぼる人も多いそうなのですが、私にとってはこの座学が非常にためになるものが多く、これだけ聞くのでも意味があると思いました。

私は「情報」というものに少々敏感なところがあり、1方向からの情報はあまり信用しない傾向があります。また、バイクを走らせるということにおいて、インターネットには様々な情報があふれているわけですが、素人が書いた記事などは参考にはするけど本当に信じているかといえば微妙です。

しかし今回本物のプロライダーが走り方を教えてくれるわけで、その信頼度は抜群です。

バイクの走らせ方は感覚に頼らざるを得ない部分も多々あり、教える人の表現によってはバラバラになることもありますが、今回私が聞いていた限り、非常に有意義な時間を過ごせたのは間違いなかったです。

この座学というものは他の走行会ではあまり実施されていることが少ないようで、珍しいとも言われておりました。当然プロドライバーには相応の金額が支払われていると思いますので、それなりにお金のかかった走行会ということになります。

それなりの金額も取られましたが。

いざ走行

人生初めてのサーキット1本目になります。

流石にフリー走行をいきなり走るのは無理だと思ったので、無難に先導ありの走行になります。一応ハイペースということでそこそこの速度で走ってくれます。袖ヶ浦のホームストレートはM1000RRを本気で走らせると220キロほど出るらしいのですが、先導走行では160キロほどでした。

ツナギも着ないで走れるといった内容なので、そこまで全力で走るということは有りませんが、それでもそこそこ走らせてくれたので1回目のサーキットにはぴったりだったと思います。

しかし驚いたのはその圧縮された時間。

走行を始めて色々考えながら走っていたらいきなりチェッカーフラッグが振られています。最初、赤旗が出て走行中止になったのか?と思ったのですが、バイクのディスプレイを見るとなんと既に15分経っているのです。

「嘘だろ?」と思うほど一瞬の出来事でした。

今回気が付いたこと

先導走行ではありましたが、今回気が付いたことがいくつかあります。

  • 初めて味わうフルブレーキの感覚
  • 思っていたよりみんなのレベルは高いわけではない
  • 意外と寝なないマシン

まずはフルブレーキの感覚ですが、これは初めて味わうものでした。

フルブレーキといっても160キロから80キロくらいまで落とすだけなので、もっと上はありますが、この感覚は初めて味わうものでした。

加速の感覚はある程度慣れているので戸惑うことは有りませんでしたが、急減速に関しては驚きでした。そういえば私はフルブレーキなどしたことがありません。

例えば公道で言えないスピードまで上げることがあったとしても、その目標のスピードに達した後、エンブレで徐々に速度を落としていきます。
そういう走り方しかしてこなかったのです。

しかし、フルブレーキは違います。急加速の逆が起こるわけですから、体がその感覚を知らなくても無理はありません。本当に新しい感覚というか、怖い感覚だったと思いました。

次に周りのレベルです。フリー走行をしている人を見ていても走行ラインがめちゃくちゃな人がほとんどでした。私はそれを見ながら、「このラインが正しいのか?」と感じており、プロライダーに質問してみることにしました。

返ってきた答えは、

「半分合っていて、半分間違えています。あの走り方はひと昔前の走り方で、近代ライディングではあのラインで走りません。」

とのことでした。だから座学でいろんなことを学んでくださいとのことでした。

当たり前といえば当たり前かもしれませんが、みんながみんな異常なまでに上手いわけでは
ないということがわかってホッとしました。

そして意外と寝ないマシンです。

M1000RRはディスプレイにバンク角度を表示することが可能です。
公道では40°程の角度がMAXかなといった感じでした。

それ以上に速度が出るサーキットでは簡単に、45°以上出ちゃうのかなと思っていたのですが、これまた40°止まりでした。もちろん速度があまり出ていなかったということもあると思いますが、意外と寝ていないのにびっくりしました。


これには理由があって、それを話すと長くなるので別の記事にしたいと思います。




最後に

ということで初めてのサーキットは目から鱗がボロボロ出てくる濃密な時間でした。

現在はもっとサーキットを走りたい病にかかってしまい、どこかのサーキットのライセンスを取得しようと考えています。

M1000RRは性能が高く、一般道では使いこなせないということを改めて実感してしまい、今後はますますツーリングなどで使う機会は少なくなりそうです。

まだツナギも持っていないので、まずはその辺の装備一式をそろえて、楽しいサーキットライフを始めていきたいと思います。