M1000RRを1年乗ってみてわかったこと

我が家にM1000RRがやってきて1年が経とうとしています。購入時は期待に満ち溢れていたM1000RRだったわけですが1年たってみて、その思いはどう変化したのでしょうか。この1年色々思うことがありましたので今回はそんな内容です。また、この話はM1000RRに限った話ではなく多くのスーパースポーツにも当てはまるのかもしれません。

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M1000RRを1年乗ってみた感想

私のM1000RRは1年経過してようやく1,000kmを突破しました。これはあまり乗っていないというこになるわけですが、意図的に走行距離を伸ばさないようにしているという点と、もう一台RnineTがあるという点から走行距離が伸びていません。それでもわかったことは2つ

  • 公道走行 → 面白くない
  • サーキット走行 → 面白いけど扱いきれない

この2点です。先日、片道約2時間ほどのツーリングをM1000RRで行いました。その時感じたのは「つまらない」という感想です。溢れるパワーと優れたコーナリング性能を有しているわけですが、これらは一切公道で使用することはできません。法的にというのもありますが、気持ちよさそうなワインディング入っても前に1台でも車がいれば基本的にゆっくり走ることになります。このゆっくり走るというのがM1000RRにはあまりに苦痛すぎて私としては面白くないという感情になります。

これはM1000RRでサーキットを走り、そこでM1000RRの楽しさを知ってしまった故かとも思います。通常の速度域でノンビリ走るのであればM1000RRなど持ち出さなくても、RnineTで十分楽しいですしそちらの方が適しています。公道ではM1000RRは物足りなさすぎるのです。

お尻が痛い

バイクの宿命ですが、長時間の走行はどんなバイクに乗っていても大抵お尻が痛くなります。さらにスーパースポーツともなればその痛さは尋常じゃないのですが、サーキットを走っている場合は全然痛くないのです。もちろんツーリング時は4時間5時間など乗ることもあるので絶対的な運転時間が違うともいえますが、サーキットでは座席にどしっと座っているシチュエーションが少ないからです。モモで乗ったり絶えずお尻の位置を動かしています。また相当集中して運転しているので疲れていることを忘れてしまいます。

公道では常にお尻はシートの上に座った状態となり、乗り始めのことはしっかりとニーグリップをするのですが疲れてくるとだんだんニーグリップが解け、お尻に全体重が乗ります。M1000RRのシートはとにかく硬いので一度その状態になってしまうとお尻へのダメージはあっという間に蓄積されていき、早く帰りたいと思い始めるわけです。

私の感覚では片道1時間が限界でそれ以上は肉体との戦いといった感じです。




サスペンションが硬すぎる

さらにM1000RRのサスペンションは硬すぎます。S1000RRの時も十分硬いと思いましたが、S1000RRは電子サスが搭載されており、リアサスも多少柔らかくセッティングされていたのでそこまでひどくはなかったのですが、M1000RRは公道には適さないです。峠道で少し気持ちよさそうだなと思っても路面がガタガタすぎて気持ちよく走るどころか、跳ねて怖い思いしかしません。

これがサーキットになるとものすごく安定するわけですから、この辺も確実にサーキット仕様であるということは間違い無いです。

サーキットでは扱いきれない

最近では公道では乗りたいと思わなくなり、もっぱらサーキット専用機になっているわけですが、そこも課題はあります。M1000RRの性能が高すぎてとても扱いきれないという点です。もちろん早めに走行することは可能ですし、ストレートなどは200psオーバーの力を使って気持ちよく全開にするのですが、ブレーキはかなり手前から握りますしバンクさせるのも車体の金額がチラつき、どうも限界へ挑戦することができません。

また近くのミニサーキットに持って行っても良いのかもしれませんが、これまた本当に小さいサーキットでリッタークラスのバイクを楽しく走らせるというのはそれはそれでスキルが必要になります。やはりリッタークラスのバイクはある程度大きなサーキットに行かないとその性能は発揮できません。

もちろん私のサーキット技術はほぼ初心者なので少しずつ上手くなっていき、M1000RRの能力を解放するという楽しみはあります。しかし、頻繁にM1000RRでサーキット走行をするわけではありませんし、消耗品類の消費も激しくなります。サーキットにおいて私とM1000RR、どちらが上位の存在であるかといえば圧倒的にM1000RRの方が上位的存在なわけです。




飾るのは最高

ようやく私の得意分野にきたわけですが、M1000RRを飾るという意味では最高です。この車体はとにかくかっこいいのでこれをガレージで眺めていたり、またがってみたりしているだけで幸せな気持ちになれます。また、改造する部分もほとんどないので納車した時点で完成形であるということも素晴らしい部分です。

他のスーパースポーツでも同様

今回の話はM1000RRに限定した話というわけではなく、他のスーパースポーツでも同様かと思います。私の場合RnineTがあるため、公道とサーキットを切り離して考えることが可能ですが、M1000RRのみしか所持していなかったらこのバイクにどんな印象を持ったかはわかりません。スーパースポーツ1台持ちの方でサーキットを走ったことがない人はぜひ一度走ってみてもらいたいものですが、一度走ると公道がつまらなく感じるかもしれません。

乗車姿勢がきつく、めちゃくちゃ疲れたとしても、限界付近を味わったことがないからこそ、未知の性能にワクワクし続けることは可能ですが、一度でも高速走行を味わうとイメージがガラッと変わる可能性は高いです。あの性能を少しでも引き出したいと思うわけですね。私は完全にそのタイプでした。サーキットを走行するまではちょこちょこ公道を乗っていたのですが現在ではガソリンを入れに行くくらいとバッテリーが上がらないように少し乗るくらいです。

最近ではバッテリーは常時充電器に繋ぎ、そういったちょこちょこした走行もしないようにしようかなとも考えたりしています。




売却も視野に

購入当時は、「とにかくかっこいい!一目惚れ!」といった感情で飛びついたわけですが、実際に所持し、乗ってみるといろんなことがわかってきます。公道で乗っても楽しくなく、サーキットで扱いきれないというのであれば売却し、もっとこのM1000RRを有効活用できる方に乗ってもらうというのも一つなのかもしれません。もちろん今のところは売却しようと考えてはいませんが、無理に所持にすることにこだわり続けるのもどうなんだろうかとも思うわけです。

幸い、この車体に関してはリセールも非常に高いようなので今売却しても完全精算が可能になります。それは今日のタイミングというわけではなく、数年所持していても元は取れると思いますので売却時のお金の面に関しては心配していません。とはいえこのバイク、私もマルイチも非常に気に入っているので簡単に売るという決断をするというわけにはいかなさそうです。




最後に

最後にM1000RRをサーキットで走らせたのは5月の袖ヶ浦です。そして今月6月には初めてのツインリンクもてぎにて走行を予定しています。その後の予定は決まっていませんが、ツインリンクもてぎといえばMoto GPも開催されるサーキットです。バイクの性能を思う存分発揮できる環境ですので、私の未熟なテクニックで可能な限りバイクを前へ前へ進めていきたいと思います。