サーキット奮闘記も04となったわけですが、実はこの04で一旦は終了となります。もて耐出場が目的だったため、このレースが終わると基本的には私のレースシーズンが終わってしまうため、これが今年最後の本気サーキット。そしてもて耐本戦ということもあり、いよいよ集大成の時です。
前回のおさらい
バイクでサーキットの走らせ方が少しわかった サーキット奮闘記03前回持ち帰ることができた課題は、2つ。
- オーバーテイクを学ぶこと
- コーナリング中のブレーキ精度を上げること
としていました。精度を上げるというのは結構漠然としていて、一気にタイムアップに繋がる要素ではないため、何度も練習が必要になりそうです。
そして問題のオーバーテイク。前回の記事でも書きましたが、30秒台に入ってくると抜かれる7、抜く3くらいの割合になってくるイメージになります。スムースにオーバーテイクができないとそのライダーのタイムに合ってしまいますのでタイムだけではなく、順位も重視される本線においてはこのオーバーテイクも大きな肝と言えそうです。
しかし私はオーバーテイクに関しては結構理解しています。というのもYoutubeで車やバイクのレース動画をよく見るからです。私の言葉で簡単に説明すると
「前を走るライダーがバンクさせる前にイン側に並び、相手の視界に入る」
ということです。イン側に飛び込み、相手の視界に入ると相手は自分のタイミングでバイクを倒せなくなります。インに入ったマシンはレコードラインではないにしてもアウト側のマシンより遥かに位置的有利を得ることができ、そのまま曲がればオーバーテイク完了ということになります。
文章ではこんな感じで、理解しているのですが、これにかなり苦しみそして次の課題になったのです。
いざ本線
本線は3時間耐久ということで4人のライダーで回していきます。1人の走行時間は20分〜25分程度となり、私の走行する回数は2回。この2回で完走できるように走りつつもタイムアップを狙います。コーナリング中のブレーキングに関してはかなりイメージトレーニングをしていたので前回以上にスムースに実践することができ、数周走って2分35秒というタイムをだします。最終的なタイムは2分33秒となり、前回から4秒アップとなりました。この辺までくると他のライダーに抜かれる5、抜く5、くらいの割合に感じました。
無事に転倒もなく完走することができ、私のもて耐は終了したのです。もて耐自体の記事は後日別途書くつもりなので興味がある方はそちらも読んでみてください。
今回の課題
さて今回もしっかりと課題を持って帰ってきました。それは
「ストレートスピード」
です。コーナーはある程度コツは掴めましたし、まだまだ未熟な部分がありますが、問題はストレートです。2分33秒というタイムを出し、自分より早いG310Rライダーのトップスピードをアプリなどを用いて確認してみるとバックストレートの速度は
- 2分33秒の私 155km/h
- 2分30秒の方 160km/h
- 2分25秒の方 165km/h
といった感じでした。2分25秒の方と比べると実に10km/hも違うということになります。ストレートが5本もあるもてぎではストレートスピードはかなり重要と考えていて、これだけの速度差が各ストレートで生まれていると考えるとタイム差も納得せざるを得ません。ストレートが遅い理由はいくつかあると考えていて、
- コーナー脱出速度が遅い
- スプロケットなどの改造項目の違い
- 体重差の違い
- マシンそのものが不調
- 私のライディングフォームが悪い
あたりかなと考えています。
まずコーナー脱出速度に関してですが、うまいライダーほど立ち上がりが早いです。よく言われますが、セミプロよりMotoGPライダーの方がコーナリングスピードは遅いという話です。しっかり向き替えを行うことでストレートスピードが上がり、タイムに直結するということですね。
しかしこれだけの理由ではないとも考えています。というのも力量の近いライダーを追いかけているシーンで立ち上がりでぐんぐん差が縮まっていくのですが、ストレート中盤くらいから離され始め、最終的には元あった差くらいまで広がってしまうのです。立ち上がりから離されるのであれば脱出速度かなと思えるのですが、中盤から離されるということは立ち上がりだけではないと考えています。
次に体重。これはかなりの要素で、非力なG310Rでは重さの影響はかなり大きいといえます。女性ライダーなどは私よりも30キロ近く軽いため、ストレートのノビも高くなります。この辺はどうしようもないので割り切っていますが、ライダーは男性の方が圧倒的に多く、バトルするライダーと体重差はそこまでないとも考えています。
そして改造項目。私たちのチームでもスプロケットの丁数が3種類あり、それぞれ加速型、最高速型、いいとこ取り、といった感じで分かれていました。この中で一番速度を出せていたのが加速型のスプロケットだったので、非力なG310Rをもてぎで走らせるには加速型の方が良いのかもしれません。
マシンの不調も考えられますが今の自分にどうすることもできません。
ということで、有力そうで、現状簡単になんとかできそうなのはライディングフォームと考えています。実はサーキット奮闘記01の記事を上げた際に横からストレートを走っている写真を添付しているのですが、全く伏せれていません。もちろんこの時は初めてだったのでそこまで意識していなかったということもありますが、ストレートではシート後ろにのり、最大限風を避ける努力をしなければいけません。
コーナーの立ち上がりも重要ですがこれは1日でどうにかなる話ではないので今後の課題ということでまずはライディングフォームを見直してみようと自分の中で決めたのです。
オーバーテイクができない
このストレートスピードが遅い問題はタイムももちろん出ないのですが、オーバーテイクも難しくさせます。ラップタイムが自分より遅いライダーでもストレートは私より早いケースが多いのです。そのため、ストレートで抜くことはもちろん、相手がコーナーでバンクを始める前に車体を横に並べられないのです。そのまま強引に突っ込めば私のことが見えていないライダーと接触してしまうため、こちらは引かなければいけません。こんなことをやっているとペースは前のライダーに合わせるような形になり自分のペースで走らせられないのです。
そして素人のレースでスリップストリームは危険と言われています。プロと違い、ブレーキポイントがまちまちで追突してしまう可能性があるからです。でもこの時はスリップを使用してなんとか並ぼうと非常に苦労しました。スリップに入ってようやく前のバイクと同じくらいの速度になり、それでも追いつけないというシーンも多々ありました。オーバーテイクさえできてしまえば差はどんどん広がっていくのですが、抜くというのは非常に難しいです。オーバーテイクが課題だったのですが、ストレートスピードが足りず思ったようにオーバーテイクができなかったという結果になってしまいました。
そしてレースシーズンは終わってしまった
次の課題は、ストレートスピード向上のため、
- できるだけコーナーの脱出速度を上げる
- ストレートではできるだけシート後ろに乗る
- ストレートではできるだけ伏せる
と決まったわけですが、残念なことに私にとって今年のモビリティリゾートもてぎでの走行はこのもて耐で最後なのです。ですのでこの課題を試すことができないということになります。このストレート速度問題をクリアできれば20秒台が見えてきそうなのに残念です。次回は来年ということになりそうです・・・。
しかし、レースは終わってしまいましたが、ただ来年を待つだけではありません。現在色々考えておりまして、もしかしたらより自分の技術を高められる可能性もあるのです。それらはまた記事にしていきたいと思います。
2022年は初めて本格的にモビリティリゾートもてぎを走行し最初は2分48秒だったのですが、シーズンラストでは2分33秒までタイムを縮めることができました。30秒を切れなかったのは残念ですがサーキット走行の楽しさを知りました。来年もまた一歩前進できるよう頑張ります!