今回はバイクにおける永遠のテーマである、排気量問題に関して。原付からリッタークラスまで様々な排気量があり、バイクにおける排気量の差は車以上に大きい物だと思います。人によっては大型が良いという人もいるし、小型が良いという人もいますが私の見解を話していきたいと思います。
私の価値観
初めに答えだけいえば
「優劣つける物ではなく、どちらも所持したらいい」
ということです。私は現在
- RnineT 1,200cc
- M1000RR 1,000cc
- CB400SB 400cc
- 200DUKE 200cc
と幅広い排気量でバイクを所持しています。どの排気量も得意なシチュエーションというものがあり、完全上位互換ということはありません。
私もそうでしたが、まず若い頃に中型に乗り、その後、大型のバイクへ移行する。今度は小型のバイクが欲しくなり、その後、また大型に戻る。などなど1台しか持たない場合はかなり迷走してしまうことがあると思います。いろいろ乗ってきた答えが、
「バイクのサイズは得意不得意がある。用途にあったバイクを選ぶことが必要」
ということでした。では車種の個性による違いは抜きにして、排気量で考えるそれぞれの特色を話していきます。
スピードという観点
まずは当たり前のことを。排気量が小さいほどスピードが出ないのでエンジンは回しやすくなります。我が家のラインナップでは200DUKEが一番高回転まで使いやすいということになりますね。ただ、一概に排気量だけでは語れず、どちらかというと馬力が大きく関係してきます。M1000RRは200馬力を超えているので、RnineTより排気量は小さいですが、公道で高回転まで回すなどといったことはほぼ不可能に近いです。
公道で元気よく高回転を使って乗りたいということであれば、小さめな排気量が適していると思いますし、国際サーキットで極限までスピードを出したいということであれば大型が適しているといえます。
巡航という観点
次は巡航に関してです。これはツーリングのしやすさとも言えるかもしれません。これは圧倒的に排気量が大きいバイクの方が適しています。下道をきびきび走るのには排気量の小さいバイクでもそれほど苦ではありませんが、高速道路を走る場合、出力に余裕がある大型バイクの方が遥かに楽です。小型のバイクは最大でも100km/hしか出ないものもあります。そのバイクが80km/hで走るということになれば約80%の力を発揮してるということなり常に苦しい状態といった感じ。
実際に小型バイクの方が圧倒的に疲れるのですが、なぜ小型の方が疲れるのかというのが私自身あまりわかっていません。上記でも書いた通り、80%ほどの力を使うことにより、車体のブレや振動などを常に体が拾うから疲れるのか、スロットルを大きく開け、その手首の維持が疲れるのか、軽さ故に疲れるのか。はたまたもっと別の要素があるのか本当のところは割っていません。しかしとにかく小型のバイクは高いスピードレンジだと疲れます。
高速道路を使って遠くへ行くことが多いなら大型の方が良いですし、家から近い場所を小気味よく走るなら小型バイクが適しているといえます。
軽さという観点
小型バイクは車体サイズやパーツ点数などから大型バイクに比べて軽量に作られています。そのため小型バイクの方が圧倒的に取り回しが楽になるわけですが、これが上記の巡航にもつながります。重く安定している方が長距離が走りやすく、入り組んだ道や林道などコントロールが必要なシチュエーションでは軽い方が有利です。
メンテンナンスや維持費の観点
メンテナンスに関しては251ccから車検が存在してきますし、バイクが大きくなればパーツ自体も高くなるので維持費は間違いなく高くなります。また、保険も126ccから車の保険の特約などが使えなくなり、この辺の金額もかかってきます。
メンテンスに関しては大きなバイクほど複雑な構造になり、自分で整備が難しいということも考えられます。これらの観点はでは小型の方が圧倒的に有利ということになります。
マウント取りの観点
さて、ここまで結構当たり前のことを書いてきました。ここからがこのテーマの本番です。
周りの目がないとすると、自分の用途に合わせたサイズのバイクを選択すれば良いという結果になるのですが、マウント、すなわち自慢するといった観点が絡んでくると一気に頭を悩ませることになります。
よく聞く話ですが、大型バイク乗りが小型バイク乗りに対してマウントをとってくるなんてことを聞きます。私の感覚で話をすればマウントの要素は
- 希少性
- 価格
この2点だと思います。これらの要素が絡んでくると、その車体は入手しにくいものであるということになり、自慢するといった要素が生まれてきます。ですので馬力がすごいとか、排気量がすごいということは私にとっては自慢でもなんでもなく、そういった部分でマウントを取ろうとするのはずれているとも思ってしまいます。
しかし実際には大型の方がただただ偉いんだという認識を持った人がある程度存在し、それらが小型バイクを見下します。こうなってくると、自分の用途が合っているから選んでいるのにも関わらず下位互換の車体を持っているのではないかと錯覚してしまうわけです。
これに関して対策できることはあまりなく、
- 気にしない
- 見下されない車種を持つ
- 見下されない車体を含めた複数台持ちにする
などしかありません。私は見下しもしないので気にしないでいいよと言いたいところですが、全員がそう言うわけではありません。この辺は自分の心と折り合いをつける必要があります。
複数台持てばいい
そしてが上記でも書いた、「優劣をつけるものではなく、どちらも所持したらいい」という部分になりますが、バイクは用途に合わせて複数台持ちができれば基本的に全てが解決します。
- ロングツーリングに適したバイク
- 峠道に適したバイク
- ちょいのりが適したバイク
- オフロードが走れるバイク
- 国際サーキットに適したバイク
- ミニサーキットに適したバイク
などなどです。私は現状まだサーキットにはほぼいきませんが、これからの目標としています。そうなると我が家のラインナップで走れない場所はオフロードくらいということになり、オフロード車を増車するかなんて考えています。
しかし、人それぞれ様々な事情もあり、そんことはできないということの方が多いと思います。ですので自分の用途にあったバイクを選ぶことが失敗しないコツということになります。しかし、バイクは一生ものではないので、飽きたら乗り換えたらいいのです。そして迷走してみてください。小型に乗ったり大型に乗ったり戻ったり戻ったり。この迷走によって本当に欲しかった自分のバイクというものが見えてくるかもしれません。
最後に
サーキットをたくさん走るのにアメリカンの1台持ちなどあり得ませんし、オフロードを走ろうと言うのにスーパースポーツを買う人はいないでしょう。ですのでまず自分の用途をよく考えてボディタイプを選定してみてください。そしてその後、見下されるシチュエーションに絶対会いたくないなら、そのタイプの大型を買えばいいですし、我が道を歩けるなら小型で良いと思います。
この辺はそれぞれの価値観が出てくる場所なのでそういった心が満たせるかなどの要素にもある程度は目を向けるべきだと思います。
私もM1000RRはサーキットでタイムを出すなんてことは全く考えておらず、潔く「自慢したい!」という気持ちも合って所持しているところもあります。